1.概要
この記事は、私が主催したふるよにの大会「基本・達人セット限定大会」において気づいた点を記したものです。この大会は「初心者が参加しやすい大会」を目指して意図的にレギュレーションを曲げましたが、私が狙った通りの成果は得られなかったと反省しています。この記事は、その内容を(主に主催側のミコトに)共有したいと考え、執筆したものです。
2.大会レギュレーションと大会の狙い
以下のようなレギュレーションにて大会を開きました。(1) 通常選択
(2) 桜花決闘の制限時間を5分延ばし、40分とする
(3) 選択できるメガミは基本・達人セットに封入される12柱のオリジンのみ
しかしながら、これらの試みはうまく機能しませんでした。その理由を事項以降に記載します。
3.時間を5分延ばすことに大きな効果はなかった
35分で終わらない決闘は、40分でも終わらないということがわかりました。今回の大会では、全9試合が行われました。時間切れ判定が4試合あった一方で、時間切れギリギリ(つまり、35分から40分の間に)に決着した決闘は私の見落としがなければ1試合もありませんでした。
決着に至らなかった決闘を横から見ていた限りだと、時間切れとなった要因はプレイヤーの長考というよりはむしろ採用しているデッキによるところが大きいと感じられました。
例えば、時間切れになったマッチは以下のような決闘でした。
・トコヨのハーフミラーで、お互いが対応を厚く構えたため、攻撃が通り辛かった
・ユキヒのクリンチデッキに対して、つきさしを適切に対処し続けたため、お互いに有効打を与えられなかった
決闘時間を5分間延ばしたのは、初心者が少しゆっくりと考えても決闘が決着することを期待してのことでした。しかしながら、5分の延長程度では(マッチアップによっては)どうしようもなかったのです。
決闘時間の延長が目的にそぐわないのであれば、制限時間を35分としたほうが運営上よい効果が得られると今は考えています。
4.狭いカードプールはテーブルトップから始めたプレイヤーにとって窮屈さを感じさせた
そもそも前提が間違っていました。私は、初心者は大会でユリナを宿すものであると信じておりました。しかしながら、それは平成の常識であり、令和の世には当てはまらないことに気づきました。そう、令和にはライラアナザーがいるのです。確かにシーズン5において、ライラアナザーは以下の点でユリナよりも初心者向けのメガミであると考えます。
・風走りによってレンジロックに耐性をもっている
・攻撃間合が1-2をメインとしているため、比較的弱い基本行動である離脱や後退をほとんど行わなくてもいい。
・大型切札をライフに通せなかった(避けられる・フレアを焼かれるなどで)ために負けるということが起きにくい。このことは、相手のカードプールを全く知らなくてもある程度戦えることを意味している。
・絶対に入れるべきカードがわかりやすく、致命的な構築ミスをしにくい上に、嵐の力がある程度の構築ミスを吸収してくれる
私は、初心者がライラアナザー(など基本/達人セット以外に含まれるメガミ)を中心に検討をしている可能性を考慮すべきでした。カードプールを狭めることでメインで使用するメガミを使えなくなった場合、苦労するのは熟練者ではなく初心者なのです。
最も慣れた組み合わせを宿せるように、カードプールは恣意的な制限を加えず、すべて使用可能にしておくほうが優しい対応であることに気づき、反省しました。
5.総括
私の浅知恵では、初心者にとって大会に参加しやすいレギュレーションは提案できませんでした。今は、(少なくともシーズン5においては)通常選択こそが初心者が最も参加しやすいフォーマットであると私は考えています。今後も(競技人口を増やすべく)初心者向けのフォーマットを模索していくつもりですが、とっかかりが見えていないのが現状です。
先輩主催者各位へ、良いアイデアがあればぜひ教えていただきたく。よろしくお願いいたします。