2022年8月7日日曜日

ふるよに初心者向け記事 第1回 自分の勝てる状況を知り、その状況を作り上げる

 1-0.はじめに

 前回の記事では、ふるよにって難しいよね。って話をした。

 ふるよにというゲームは、一般的なトレーディングカードゲーム(TCG)系のシステムと異なっていてTCGで培った肌感覚はそのまま使えないってことを書いていたと思う。

 今回はもう少し実用的な話をしたい。今回はふるよにの見通しが良い部分について触れ、ふるよにのプレイ指針をとなる重要な要素について説明したいと思っている。ある程度慣れたミコトには『そんなん言われなくてもわかるわ!』みたいな話だと思うが、このシリーズはそういったことを一つ一つ書いていく場にしていきたいのでどうか暖かい目で見守っていただきたい。

 本題に入る前にカードゲーム用語に関する確認。この記事以降では「リーサル」という言葉を多用すると思う。この意味が分からない場合はこれ以降を読み進める前に、こちらの補足記事を読んでいただきたい。



1-1.ふるよにはランダム性が小さなカードゲーム

 トレーディングカードゲーム系のゲームは色々な種類のカードが入った山札の上から順にカードを引いて自分の手札にしていくため、引きたいカードが引けないことがよくある。デッキに複数枚入ったキーカードが引けずに負けることなんて日常茶飯事。

 ふるよにもカードを山札から引く以上、多少のランダム性はあるわけだが、他のカードゲームと比べてその振れ幅は非常に小さい。



1-2.ふるよににおけるカードの引きを安定化させる要素

 以下に示すような色々な仕様によって、ふるよには意図的にカードゲームが持つランダム性が大きく抑えられている。 

 ・山札が7枚しかない

   →枚数が少ないので狙ったカードを引きやすい。

 ・山札を引き切れる。使ったカードと山札の残りで山札を作り直せる。

   →遅くとも数ターン待てば欲しいカードを引ける。カードゲームあるあるの「枚数上限まで入れたキーカードが1枚も引けずに負け」みたいなことが起きない。

 ・(山札少ないのに)初手のマリガンを行える

   →適切なマリガンを行えば、高確率で、デッキ初巡の特定のターン(1~3ターン目)に使用したいカードを使用したいタイミングで手札に引き込める。

 ・切札という山札に混ざらずにいつでも使用できるカードが3枚もある

   →数ターン待てば、必要なカードを引き込める

   →複数の切札を用いた強力なコンボが安定して使用できる



1-3.狙いのカードが引けるということは勝ち手段に再現性があるということ

 普通のTCGだとタダで殴れるタイミングでは殴って相手ライフを削っておくことが正着となる場合がほとんどだ。これは、(クリーチャーなどの)盤面にあるカードオブジェクトは使い切りではないため、使える限り使い倒したいということや、カードの引きにランダム性が高いためリーサル打点が大きくぶれる可能性がある(つまりダメージは取れるときに取っておいたほうが良い)ことによる。

 対して、ふるよにはカードの引きにより、リーサル打点が安定している*ため、リーサル打点までライフを削る過程で詰み盤面となるように誘導し、そのまま倒し切るという考え方が成立する。

(詰み盤面を作るための2ステップ)

 段階1.準備段階(まだ勝てない状況なので勝てる状況に向けて足りない部分を補う)

 相手を次に倒しせるだけの状況(詰み盤面)を作る。そのために攻撃札によって相手のライフを減らしたり、切札使用に必要なフレアを貯めたり、リーサル段階で使いたいカードを手札に抱え込んだりする。

 段階2.リーサル段階(勝てる状況なので勝ち切る)

 相手を倒せるだけの盤面・手札が整った段階でコンボを叩きつけて勝利する。


 これは、カードオブジェクトによって優位を広げることができない一方で、引きが安定するふるよに適した考え方である(と私は思っている)。段階2がどのような状況なのかは使うデッキによって変わってくるので、デッキを組む段階でこのデッキはどのような状況がリーサル段階なのかを把握しておくことが大切である。


*ふるよにの攻撃は「使い捨て」であるため、雑に殴ると「手札を1枚無駄にしただけ」で終わってしまう場合がある。あらゆる手札が基本行動に使えるふるよにでは、このカードは攻撃として使うべきか、基本動作として使うべきかを都度判断する必要がある。



1-4.例:刀毒におけるリーサル段階





画像;ふるよにコモンズ BakaFire、TOKIAME

 

 例えば、この刀毒デッキは、相手の対応を考慮しない場合は、8フレア、手札4枚から

手札にある遁術(飛苦無)の一閃(飛苦無)、切札の流転の霞毒と月影落に加えて引いてきた攻撃札(デッキに被攻撃札は1枚しかないので少なくとも1枚の攻撃は引ける)を全て使うことで相手のライフに5~7点のダメージが与えられる*。

 つまり、このデッキを前項の方法に従って段階分けすると次のようになる。

  段階1(準備段階):手札に一閃、飛苦無、遁術のいずれか2枚を抱えた状態で相手ライフ5~7、自フレア8を目指す。**

  段階2(リーサル段階):引いたカードで相手ライフが0にできそうなら総攻撃して勝つ。


*詳細に関しては長くなるので補足記事にまとめた。

**上記はざっくりとした条件であることにご留意いただきたい(例えば、ユリナの決死を考慮しておらず、全ての攻撃を使用できるだけの間合・集中力がある前提である)

 


1-5.リーサル段階が理解できていることで、適切な判断ができる

 相手をどういった状況で倒せるのかということが分かっていると、より計画的・効率的な動きができるだろう。

 例えば、前項の刀毒デッキを例に見てみよう。

 以下の盤面はターンプレイヤーである下側プレイヤーのメインフェイズである。ターンプレイヤーが取るべき行動は何だろうか?

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のスクリーンショットです。





【解答例】
 柄打ちと毒霧を伏せて基本動作の宿し、纏いを1回ずつ行い、ターンを終了する。

【考え方】
 まずこの状態が勝利盤面かどうかを考える。自分のフレアが6で集中力も1しかないため、相手のライフを削りきることは厳しそうである。
 そのため、このターンでの勝利を諦め、次のターンに勝つことを目指したほうがよさそうである。
 次の相手ターンに相手は再構成を行うだろうから、自分のターン開始時に相手のライフは5である可能性が高い。(1-4.で示したように)適切に手札を抱えれば、次の自ターンにライフ5点は確実に削り切れるため、このターン攻撃を行うことは勝利を近づける行動にならない。
 一方で必要ライフダメージ5点を叩き出すために必要となるフレアは8なので、現状でフレアは2つほど足りていない。次の自ターン再構成で1つもらえることを考慮すれば、不足分は実質1つ。このターン攻撃しない前提であれば、抱えきれない手札は全て基本行動に費やしてフレアやオーラの確保に努めるのが良い。
 伏せるカードは柄打ちと毒霧。一閃と遁術はリーサル打点の前提となるカードであるため、手札に抱えるようにする。伏せたカードによる基本行動は「宿し」が必須。余った1基本動作は少しでも防御力を上げるために纏いを選択する。


 どういった条件で相手を倒せるか(リーサル条件)が明確になっているおかげで、中終盤のリソースの使い方の方針を立てやすくなるのだ。


1-6.とはいっても対戦相手が素直に負けてくれることもなく

 この回では、リーサル段階となる状況を理解しておくことがふるよににはとても大切であるということを述べた。リーサルへ向けて準備をっていくという流れはふるよににおける様々な判断(例えば相手の攻撃をどう受けるかなど)の前提となる部分であると私は思っている。リーサル段階を意識せずにプレイされていた方は、これを機に自分の使用するデッキがどのような状況でリーサルなのかについて確認していただきたい。

 なお、今回は簡単のために相手の対応がない場合についてのみ考えた。ただ、いつもこんなに簡単にダメージを与えさせてくれわけではない。

 実戦においては、「相手からの妨害(対応や手札破壊)が入ることを前提とした条件でタあればリーサル段階なのか」ということが大切になってくる。この辺りに関しては次回に述べたいと思う。




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