1.この記事は?
サリヤの特徴である「騎動」について書きます。
サリヤ初心者を対象とした記事です。効果的な騎動とは何なのか?について実例を挙げながら説明します。
この記事のカード画像はすべて以下素材を使用しています。
使用素材: ふるよにコモンズ BakaFire, TOKIAME
URL: https://main-bakafire.ssl-lolipop.jp/furuyoni/na/rule.html
2.あなたは誰?
サリヤを信奉するミコトです。大規模で戦績を残せるほど強くはありませんが、サリヤはそこそこ使ってるので記事を書いてみました。
3.サリヤに関する文献
私よりも偉大なるサリヤ使いがサリヤの使い方についてブログ記事をあげています。ぶっちゃけたことを言うと、サリヤ上手くなりたいなら、これらの記事を読んだ方が早いです。
例えば、以下に挙げるブログではサリヤの情報が網羅的に書かれており、複数のデッキレシピや回し方が載っていたりと非常に盛りだくさんで役に立つ情報が詰まっています
・気迫溢れる決闘を-ふるよに構築記事 刀騎-(えりんのふるよにメモ)
また、サリヤの特徴である「騎動」にフォーカスを当てたブログ記事もあります。この記事では、(基本動作ではできない)騎動だからこそできる間合調整のテクニックについて紹介されています。
・「騎動」は実は造語なので一発変換しづらいという問題について(へくとぱ雑文投棄所)
さらに、公式ブログや公式Wikiにもたくさんの記事があります。カード1枚について深く掘り下げた記事が多いため、眼前構築を検討する際の参考になるでしょう。カードの使い方に直接かかわらないのですが、サリヤのデザインノートである「Ride on & Open the Gate!」は非常にドラマティックな名文です。まだ読んでない方は是非読んでみましょう!
・『想い一枚ここにあり』第28回:Julia's BlackBox
上記以外にも良いサリヤ記事があれば私に教えてください。私が喜びます。
4.この記事で扱うこと
前段が長くなりましたが、ここから本題です。
この記事で書きたいことは、「騎動を効率よく使って移動に使う基本動作数を減らそう!」ということです。
騎動とは、間合移動なので、騎動をうまく行うことで移動に必要な基本動作量を節約できます。当たり前のことを言っていると思われるかもしれませんが、これはとても大切なことです。
5.他の近接ビートダウンを得意とするメガミと比べたときのサリヤ
5-1. 攻撃力を比較したとき
サリヤは広いレンジでの攻撃手段を持っているものの、基本的には近接ビートダウンのメガミです。間合1-4周辺での連撃によってダメージを稼ぐことを得意としています。
しかしながら、サリヤは単体で大きなダメージを取れるメガミではありません。サリヤは気軽に使用可能なライフダメージ2点以上の攻撃札を持ちません。(ShieldChargeは3/2ですが適正間合が1であるため、カードを使用するための下準備として他のカードを使用する必要があることがほとんどです。下準備に必要なカードもShieldChargeのコストとしてみた場合、このカードが単なるグッドスタッフではなく、気軽に使用できない高コストの通常札であることがわかるでしょう。)
そのため、近接ビートダウン同士の戦いにおいて適当に殴り合うと相手の方が攻撃力が高くなりがちです。
5-2. 防御力を比較したとき
また、サリヤは防御面にも不安が残ります。「サリヤはOmegaBurstやTurboSwitchがあるから固い」というイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。これらのカードは相手のリーサルターンを1ターン先延ばしにすることに関しては極めて強力な手段ですが、ゲーム序中盤のライフレースにおいてはあまり仕事をしません。
さらに、サリヤは基本行動を超える効率でオーラを回復させる手段を持たないため、オーラを回復する能力が他の近接ビートダウンを得意とするメガミの中では低めです。攻撃を躱す手段としてはTurboSwitchという強力なカードを持っているものの、このカードを使用する度に攻撃に回せる燃料が減るため、無策に攻撃を避けてもライフレースを有利にしません(相手の斬を避けてライフを1点守ったとしても、燃料が足りずWavingEdgeを使用できる回数が1回減ったならば結果としてライフリードはとれていない)。
そのため適当に殴り合えば、オーラ受けを選択したり対応を使用してライフを守れる回数はサリヤ側の方が少なくなりがちです。
5-3. それってつまりどういうことだってばよ?
単純に足を止めて殴り合うだけではサリヤは近接ビートダウンで勝てません。継続的な(=通常札の)攻撃力・防御力ともに劣っているサリヤでは仕方のないことなのです。
参考:近接ビートダウンが可能なメガミの火力主張とオーラ防御力の主張
・ユリナ → 高火力通常札(一閃)、オーラ回復手段(浮舟宿)
・サイネ → 通常札によるダメージ軽減手段(無音壁、衝音晶など)
・オボロ → 高火力通常札(鋼糸)、設置用に攻撃カードを仕込みながらオーラが回復できる
・トコヨ → オーラ回復手段(要返し)、通常札対応(雅打ちなど)
・ユキヒ → オーラ回復手段(かさまわし)、通常札対応(ひきあし/もぐりこみ)
・ライラ → 高火力通常札(風雷撃)とそれを使いまわす手段(流転爪)
・ヤツハ → 高火力通常札(星の爪、暗い顎)
しかし、心配には及びません。サリヤには騎動があります。足を使った戦いでは近接ビートの多くに対抗できます。間合を自分にとって有利に動かすことで、相手を翻弄すれば、攻撃力と防御力の低さを補うことができるでしょう。
6.よくない騎動の例から考える
ここから8章までで、効率的な騎動について、例を挙げてみていきたいと思います。
まずは良くない騎動の例から挙げていきます。この例をもとに、価値のある騎動は何かということについて考えていきます。
例1:
あなたは間合3でBurningSteamを使い、攻撃後効果に騎動前進を選択しました。そしてそのままターンを終了しました。
上記は良くない騎動の例です。この行動によって有限リソースである燃料が1減りました。しかし攻撃後効果は何の仕事もしていません。ただただ燃料を無駄に使ってるだけです。
もっと上手く騎動を使う方法はあるはずです。それを次章でみていきましょう。
7.基本的な騎動~1移動分の価値として~
あなたは間合3でBurningSteamを使い、攻撃後効果で騎動前進を選択しました。そして間合2で柄打ちを使用しました。
先ほどの例と違い、騎動が価値を生み出している例です。騎動により1基本動作相当の移動を行うことで集中力や手札を温存しながら適正間合の異なる攻撃ができました。このように、移動に必要な基本動作1つを浮かせながらリソースを温存し、適正間合の異なるカードで連撃を行うのが騎動の基本的な使い方になります。
例3:
あなたは間合3でBurningSteamを使い、攻撃後効果で騎動前進を選択しました。そしてそのままターンを終了しました。次のあなたのターン、間合の作花結晶が燃焼し、間合い3でメインフェイズを迎えました。あなたはそのままの間合でデッキから引いてきた斬を使用しました。
この例では、騎動したターンそのものでは、騎動は何も価値を生み出していません。騎動が役に立つのは次の自分のターンです。仮に相手が間合2でターンを返してきた場合、引いてきた斬を使用するためには1離脱が必要です。しかし、直前のターンに騎動前進を行っていたおかげで、離脱を行わずに斬を使用できるのです。
この例で得られる1移動分の利得は、「相手が間合2でターンを返してくれれること」と「次の自分のターンで(斬・一閃など)間合3で使用できるカードを引いてこれること」が重なって初めて得られるものです。
「極めて限定的に感じるけど、ほんとにこんなこと起こるの?」くらいの感想を持たれる方もいるかもしれません。しかし、注意深く盤面を見ればこういった場面はある程度狙って起こせます。例えば、相手の手札がない場合やオーラが少ない場合、離脱や後退をしてまで引いてきたカードを使うでしょうか?また、自分の山札に残るカードを考えれば、次のターンに3間合のカードを1枚以上引ける可能性は結構あるのではないでしょうか?このターンだけでなく、次のターンまで見据えてゲーム展開を予想することで、造花結晶燃焼時の間合移動からも移動リソースを引き出せるはずです。
8.もっと欲張った騎動~2移動分の価値として~
あなたは3間合でBurningSteamを使い、攻撃後効果で騎動前進を選択しました。そして間合2で柄打ちを使用し、ターンを終了しました。次のあなたのターン、間合の造花結晶が燃焼し、間合3でメインフェイズを迎えました。あなたはそのままの間合でデッキから引いてきた斬を使用しました。
前章の例2と例3を合わせたような状態です。この例では、BurningSteamを使用した際の1前進と次のターンの1離脱を騎動1つで賄っています。なんと騎動は単なる移動ではないのです。場合によっては2つ以上の基本動作を生み出す凄いヤツなのです。
もちろん、このような動きを決めるためには、自分の手札だけでなく、ゲームのあらゆる情報に目を向ける必要があります。「こんな都合のいいことほんとにできるの?」と疑わしい目を向ける方もいるかもしれませんが、意外とできます。
ちなみに、例でユリナ/サリヤを挙げているのは、効率的な騎動をするのが最も簡単な組み合わせだからです。効率的な騎動に興味を持たれた方は、まずユリナ/サリヤで練習してみてください。案ずるより産むがやすし。2基本動作相当の騎動くらいなら狙ってできることがわかるはずです。
9.そしてその先へ
6から8章では、「間合3でのBurning Steam(騎動前進)」を例にして、効率的な騎動について考えてきました。何も考えずに適当に使えば6章のような騎動となり、ただただ燃料をどぶに捨てることになってしまうでしょう。しかし、盤面や展開を注意深く見れば、8章で示したように1騎動が大きな利得を生み出してくれます。
サリヤはOmegaBurst や BlackBoxを見据えた燃料管理も求められるため、実戦においては常に効率的な騎動を追い求めるわけにはいかないのですが、サリヤは騎動がうまく使えてこそ輝くメガミです(さもないと他の近接ビートダウンに殴り負けすることは4章で述べたとおりです)。騎動をうまく使いこなして基本行動を稼ぎ出し、火力差(もしくは装甲差)をひっくり返してやりましょう!
意外と分量が多くなったので、最後に一つ問題を置いて、この記事を締めたいと思います。使用カードと使用間合が変わっているだけだと侮ることなかれ。それだけで大きく変わるところがふるよにというゲームの面白いところなのですから。
問題
あなたは間合2でWavingEdgeを使い、攻撃後効果として騎動前進を選択しました。そしてそのまま間合1でターンを終了しました。
この騎動であなたはどの程度の得ができるでしょうか。様々な場面を想定し、有効な騎動について考えてみてください。