1.はじめに
刀騎(ユリナ/サリヤ)には気炎ヤクシャと呼ばれる有名なコンボデッキがあります。
これは、気炎万丈が基本動作でできる攻撃(Beta-Edge)に乗ることを利用してすさまじいダメージを与えて相手を倒し切る構築のことです。
気炎YAKSHAは基本動作による攻撃をリーサルターンのメインウェポンとしているめ、構築にかなりの自由枠があります。
その中でもこの記事ではAlpha-Edgeを採用した火力特化構築におけるポイント(構築例や立ち回り)について取り扱いと思います。
最近の完全戦では採用する機会はあまりないかもしれませんが、対面を選べば大会レベルで使える構築ではあるので機会を見つけて使ってあげてください。
2.前提となる構築知識
気炎ヤクシャ構築に関しては、ふるよに強豪プレイヤーが既に記事を残しています。
気迫溢れる決闘を-ふるよに構築記事「刀騎」-② - えりんのふるよにメモ (hatenablog.com)
有名プレイヤーのブログで、刀騎に関してかなり詳しく解説がなされています。これ以外にも刀騎の構築がいくつか載っています。カード更新にともない、公開当時からいくつかのカードが改訂されていますが、書いてあることのほとんどは今でもそのまま使えるので、刀騎を使ってみたい人には必見のブログ記事だと思います。
この記事は上記の気炎ヤクシャ構築記事が既読である前提で記載します。
3.Alpha-Edge入り気炎ヤクシャに関して
2項で挙げた記事にあるように、気炎万丈採用時の浦波嵐採用は安定択となります。気炎万丈を使用する際は通常、自分のライフは4以下*です。気炎ヤクシャによる猛攻を始めるためにはこの少ないライフを守り切って次の自ターンを迎える必要がありますが、浦波嵐が無い場合は、相手が決死の特攻を仕掛けてきた際にライフを守り切れずにそのまま負けてしまうことが多いです。浦波嵐を採用することで1ターンはしのげる可能性が大幅に高まるため、コンボ始動を重視するならば浦波嵐が安定択となるわけです。
Alpha-Edge入り構築では「浦波嵐があるとリーサルが取られない」という考え方に付けこむことを戦い方のキモにおいています。見えない浦波嵐に怯えた相手にAlpha-Edgeを刻み付けてやりましょう!
【ゲームプラン】
①切札はAlpha-Edgeを採用する。(残り2枚はBlackBox,Omega Burst)
②道中はAlpha-Edgeではなく浦波嵐を採用したかのようにプレイする
③気炎万丈を使用したターンの返しに相手が対応3枚(Omega-Burst,浦波嵐,Turbo Switch)の上からリーサルが取れないと判断して、攻撃をせずしゃがんでくれることをお祈りする
④ターンが返ってくればAlpha-Edgeを絡めた暴力的な火力で勝利できる
*次ターンの開始時に再構成を宣言すれば能動的に気炎万丈が有効となる決死状態にできるため、気炎万丈はライフ4以下で使用されることがほとんどです。ライフ5以上で気炎万丈を使用すると、相手が攻撃を控えた場合に能動的に決死に入れないためです。(これを逆用してライフ5で気炎を使用して相手の連撃をけん制するような使い方もありますが、この記事では取り扱いません。)
4.Alpha-Edge入り気炎ヤクシャ構築と立ち回り
【通常札必須】Burning Steam / Waving Edge / 気炎万丈
【通常札推奨】Roaring / Turbo Switch / 斬 / 一閃
【通常札選択】 そのほかの全力でない攻撃札or気迫
【必須切札】Julia's BlackBox / Omega-Burst / Alpha-Edge
【構築例】
【推奨以上のカード採用理由】
・Burning Steam :気炎万丈の乗る通常札。Beta-Edgeの使用できない奇数間合で使用でき、Beta-Edgeの連撃につなげられる。当然採用。
・Waving Edge :上に同じ理由で採用。
・気炎万丈 :このデッキのコンセプトであるため、当然採用。
・Roaring :ヤクシャへの変形をなるべく早く(4~5ターンくらい)に行いたいことが多いため、いつでも使える2燃料消費カードは1枚以上は採用したい。6点リーサルを狙う相手であれば、道中の攻撃によって取るべきライフは2点(残り2点は再構成で取れる)ので攻撃札は少なめでRoaring,Turbo Switchの両採用でも良いだろう。変形が安定する。
・Turbo Switch :変形前の燃料焼きにも、相手からのリーサル回避にも役立つ上、Beta-Edgeにもなってくれる凄いヤツ。こいつによる燃焼を狙って永遠とTurbo Switchを構え続けると変形が遅れることがある。
・斬 :相手をリーサル圏内まで安定して押し込むために採用される。気炎ヤクシャは古騎でも組めるが、古(ユリナA1)はリーサルラインまで落とす役割である斬がなく、乱打がリーサル打点上昇にあまり役立たないので気炎YAKSHAは刀騎で組まれることがほとんどだと思う。
・一閃 :リーサルターンでは決死なので3/2。リーサルターンにおけるドローの当たり目を少し増やせる他、道中で気炎用のダストを作ってくれる。
・Julia's BlackBox :デッキコンセプトのため必須。変形先は基本的にヤクシャ。
・Omega-Burst :気炎万丈時の燃料回復用。Roaringで3回復しているような余裕はないはずなので、基本的に必須。気炎を貼った次のターンの相手の攻撃に対して使う。相手が攻撃を控えた場合は、自ターンでOmega-Burstを使用してから攻撃を連撃を始める。
・Alpha-Edge :デッキコンセプトのため必須。
【立ち回り以前に知っておくべきこと】
このデッキは「相手の対応を考慮した上でリーサル打点がどの程度出るかを把握する」ことがとても大切です。(詳しくは立ち回りのところで述べます)
構築時、桜花決闘時に相手対応はどのようなものが採用されているのかをよく推測し、自分のリーサル打点がいかほどなのかを考えなら相手のライフを削っていきましょう。
相手の対応カードの質によりけりではありますが、自分がフルリソースであることを前提として、対応2枚の相手には6点、対応3枚の相手には4点がリーサル打点の目安になります。
【立ち回りで注意したいこと】
・【重要】自分は浦波嵐を持っている前提でプレイしましょう。例えば、相手のフレアが7あるときに一閃を使われたとしても元気よくオーラ受けすることが望ましいです。自分の対応が薄い可能性を悟らせてしまった瞬間にこのデッキの敗北は確定してしまうでしょう。
・【重要】Alpha-Edgeはリーサルターン以外で使用してはいけません。道中に使うと浦波嵐がないことがバレると気炎万丈を貼った次のターンにぼこぼこにされて負けます。
・1巡目の再構成は手札1枚からの偶数再構成が望ましいです。2巡目に気炎万丈を引き込めないとコンボができずにそのまま負けてしまう可能性があります。
・自分のライフが4~5点になるまでに以下を行えるように調整します。
・Julia's BlackBoxを使用し、ヤクシャに変形する。(4~5ターン目変形を目指すとよい感じになることが多い)
・相手のライフがリーサル打点ちょうどくらいになるようにダメージを与える
・【重要】相手にダメージを与えすぎると気炎万丈使用後に相手が決死の突撃を仕掛けてくる確率が上がってしまう*ため、与えるダメージは最低限にとどめること。
・手札2枚、気炎万丈+サリヤの攻撃札orTurbo Switchを維持した状態でターンを終え。(相手が畏縮を飛ばせる場合は、集中力1以上を維持してターンを終える)
*Alpha-Edgeを使用せずとも相手もライフを削り切れる程度にまで相手を追い込んでしまうと、相手は「このまま次のターンを返したら負けてしまうので対応がない可能性にかけて攻撃するしかない」という思考に至ってしまいます。相手には「このままオーラを厚くして奇数間合で返せば受けきれるかもしれない」と判断してもらう必要があるため、自分が削り切れる範囲でなるべく多くのライフを残すことがこのデッキにとってはとても重要なのです。
5.シーズンの変遷に伴うAlpha-Edge採用率の変化について
(大会シーンにおける刀騎の採用率自体が下がったため、この項は多数の対戦を行った統計結果というよりは、私の主観によるところが大きいです。話半分に読んでいただければ幸いです)
シーズン5-2以降、気炎ヤクシャ構築をする際のAlpha-Edgeの採用率は上がっているように思われます。現在はAlpha-Edgeの採用率が浦波嵐より高いんじゃないかなぁというのが私の感覚ではあります。
その理由としてはS5-2から「採用候補の筆頭であった浦波嵐に終端がついた」ことが大きいと思います。浦波嵐に終端がないときは、気炎万丈を使用したターンの返しに相手がしゃがんで(攻撃を行わず、防御を固める)対応として使わなかった場合にも浦波嵐は最低限の火力として機能しました。しかし、今の浦波嵐は終端がついているので、浦波嵐を使用してからBeta-Edgeを叩きこむという動きができなくなりました。浦波終端化により、リーサル打点が2点ほど減ることになりました。このリーサル打点減が対応を手厚く構えられる対面には許容できず、浦波嵐が気炎ヤクシャ構築に採用される機会が減ったのだと感じています。
6.気炎ヤクシャの天敵たちについて
この構築は2~3枚程度の対応ならばぶち抜けるほどの大火力コンボではありますが、が抱える弱点も持ち合わせています。ヤクシャの適正間合が広く、レンジロックにもそこそこの耐性があるデッキですが、いくつかのカードに対して致命的な不利を背負っています。
「気炎万丈を使用した次のターンにリーサルを狙う」という分かりやすい動きであるが故に、コンボの妨害が比較的容易なのです。
最後に、この記事で紹介したコンボの天敵たちを紹介してこの記事は締めたいと思います。こいつらを見たときは、素直に他の構築を試したほうが良いでしょう。
【最悪の天敵】
・常世ノ月 :気炎ヤクシャの全てを破壊する極悪カード。気炎下といっても手札4枚だけで出せる打点なんて知れている。相手が雅打ちや久遠ノ花を構えていたらダメージは一切通らないだろう
・終末 :連撃の天敵。当然このデッキもこれで止まる。
・絶唱絶歌 :ほとんどの攻撃が3/2なので3オーラ構えれば簡単に発動できる。異響壁と併せて展開されると完全に止まる。【そこそこの敵】
・もじゅるー展開中のくるるーん :一方的に攻撃2回分を捌かれてしまう。相手が採用している行動/対応の枚数によっては、全ての攻撃を受けきられる可能性がある
・遠心撃、大地砕き :せっかく揃えた手札をどーん!と破壊。幸い、ハガネの対応は薄いので、ハガネの横次第では残ったリソースでリーサルが取れるかもしれない。
【レア敵】
・カラハリ灯台 :気炎万丈が置けなくなるため、採用されていた場合は負ける。しかし、相手は気炎より月影が怖いはずなので、刀騎相手にこのカードは採用されていないと思う。
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